子どもと子どもの本の講座
四年目になるコロナ禍のなんとなく不安がただよう暮らしから、どうにか抜け出せそうな兆しがみえてきました。混沌とした時勢から抜け出したい焦りがあるのでしょうか、昨年、この欄でふれた電子書籍のような新しい読書がすすむ一方で、情報環境が変化して、ほかのメディアに魅かれ本を読まない人が増えているようにみえます。
情報があふれ、振り回されることの多い混迷の時代には、私たちは自分の立ち位置を見失わないことが大事だと思います。とくに、ことばを身につける時期の子どもにかかわるものとしては、子どもの幸せのために、自分が何をしようとしているのか、見つめなおしてみる必要があるのではないでしょうか。
今年はリリアン・H・スミスの『児童文学論』を読み直してみようかと思います。迷いの中にいるときは、基本に立ち返ってみることが大事です。長年、大人と子どもが読み継いできた児童文学の遺産の価値を再確認するための、よい道しるべになると思います。
読み聞かせも、お話も、ブックトークも、また、新しい作品を理解し、たのしむのも、小さな営みのようですが、これらにかかわる人びとの情熱と時間との総量が混迷の時代に、価値あるものを次世代に手渡すエネルギーになるのだと思います。
~講座監修 上田 由美子~
大阪YWCAの「子どもと子どもの本の講座」は、1999年から一貫して、子どもと本をつなぐ人の養成とスキルアップのためのセミナーを提供しています。個々の教育機関や図書館では実現の難しい、多彩なラインアップを誇っています。
コース紹介
子どもと本をむすぶコース
人が生きていくうえで欠かせないことばの力の基礎は、子どもが生まれてからほぼ十年のあいだにつくられます。この時期、子どもたちがよい絵本や物語と自然に、日常的に出会うことはとても大切なことです。ことばの宝庫である本の環境をととのえ、子どもと本をむすびつけるために私たちにできることは何か、を具体的に考えます。
図書館・学校ボランティアの
ブラッシュアップコース
家庭や保育園、幼稚園、小学校、図書館など、いろいろな現場でのより良い読み聞かせを目指して。
ストーリーテリングをたのしむコース
子どもたちは、目を輝かせてお話に耳を傾けます。お話を聞きながら想像をめぐらせ、お話の世界の中で
様々な経験をします。そしてその経験が子どもを本の世界にいざなうことになります。
ストーリーテリングや物語の読み聞かせをすることで、大人も子どもたちといっしょに楽しい時を過ごし、
それは大きな喜びとなります。
お申込み・お問い合せ
大阪YWCA専門学校 子どもと子どもの本の講座担当
電話:06-6361-2955
FAX:06-6361-2997
e-mail:college@osaka.ywca.or.jp